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アート部門

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審査講評

【作品カテゴリ別講評】インタラクティブアート

土佐 信道

明和電機

一般に「インタラクティブアート」とは、センサーなどの入力装置により、鑑賞者と作品との間に相互作用(インタラクション)を起こすアートをいう。最近の流行は、ビデオプロジェクタとコンピュータを用いたものである。プロジェクタ投影は、簡単に「場」を作り、コンピュータは、センサーと映像の連結を得意とする。あまりに安易なこの手の作品の多さに、既に敏感なアーティスト達は「メディア・アート」イコール「プロジェクション・アート」の図式に飽きつつある。そんな中、内容的にも技術的にも、オリジナリティ溢れる優秀な作品が集まった。大賞を受賞したクワクボリョウタ氏の作品は、もっとも新しい可能性を感じさせた。彼の作品は、既存のテクノロジーを組み合わせただけの「アプリケーション・アート」ではなく、手作りでマシンを一から組み立てた、高い技術力を基盤とする。そして、ゲームや玩具の形をとりつつも、機能主義的な企業製品とは異なり、どこかノスタルジックでアイロニーとユニークを併せ持つアート性がある。日常の生活空間にも合うアートは、それ自体がメディアといえる。こうした点は、昨年の大賞受賞作品と非常に共通し、世界的にも、テクノロジーアートの新しい潮流といえよう。社会のタブーに挑戦する重厚なアートではなく、軽さや楽しさというエンターテイメント性に満ちたメディアアートは、「Made in Japan」の得意分野なのかもしれない。

プロフィール

土佐 信道

TOSA Nobumichi

明和電機

1993年にアートユニット「明和電機」を結成。ユニット名は彼らの父親が過去に経営していた会社名からとったもの。プロモーション展開は既成の芸術の枠にとらわれることなく多岐にわたり、展覧会やライブパフォーマンスはもちろんのこと、CDやビデオの制作、本の執筆、作品をおもちゃや電気製品に落とし込んでの大量流通など、たえず新しい方法論を模索している。2007年は、岡山市デジタルミュージアムにおいて、個展「ナンセンス=マシーンズ展2007」を7月13日〜8月19日の期間開催。また、谷川俊太郎さんとの共作絵本の発売や、全国各地でのワークショップの開催など、多岐にわたる活動を予定。海外でも、フランス、シンガポール、ワシントンと公演を予定しており、ワールドワイドに活動している。1993年 ソニー・ミュージックエンタテインメント第2回アート・アーティストオーディション大賞受賞。2000年 グッドデザイン賞受賞(人間初受賞)新領域デザイン部門。2003年 アルスエレクトロニカ・インタラクティブアート部門 準グランプリ受賞など。

( 2007 )

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