今年度のフェスティバルへ

アート部門

部門トップに戻る

審査講評

【作品カテゴリ別講評】静止画

浅葉 克己

アートディレクター

見たこともない世界を見せてくれるのが、文化庁メディア芸術祭の本質だ。これでもかというほどのマウスによる筆触の作品群には圧倒された。一点一点に見とれてしまい、とても審査などしていられないという状況だった。特に驚いたのは『life-size』。蝉が人間の等身大で立っている姿だ。私はその声を聞いてしまった。「僕の名前は渡邊蝉太郎と言うんだよ。」くり返し言っているのだ。視点を変えることによって、観る者を不思議な宇宙へ連れて行ってくれるのだ。その前に立っていると人間が15センチ位の小人になった精神状態になってしまう。推薦作品に選ばれた『機関紙』にも驚かされた。漢字の新聞で、東京の新聞を手にしたようだった。この『機関紙』を欲しいと思った。どこへ行けば手に入れることができるのか。きっと映画『スターウォーズ』の宇宙人が集まる「宇宙バー」あたりで配られているに違いない。

プロフィール

浅葉 克己

ASABA Katsumi

アートディレクター

1940年生まれ。株式会社ライトパブリシティを経て、1975年株式会社浅葉克己デザイン室を設立。サントリー、西武百貨店、ミサワホームなど、数々の広告を手がける。日宣美特選、日本宣伝賞、紫綬褒章、東京ADC賞グランプリなど受賞多数。東京ADC委員、東京TDC会長、JAGDA理事。中国に伝わる、生きている象形文字「トンパ文字」に造詣が深い。卓球六段。AGI(国際グラフィック連盟)日本デザイン総会実行委員長。

( 2006 )

部門トップに戻る