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アニメーション部門

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大賞

浮楼

榊原 澄人

SAKAKIBARA Sumito

短編アニメーション [日本]

日々の営みが平穏に繰り返される街の四季を、固定した高い視点から見おろす構図。見続けているとやがてそのなかに、ある女性の成長のドラマが忍ばされていることに気づく。人生の時間を静かに見せる作品。

©SAKAKIBARA Sumito

プロフィール

榊原 澄人

SAKAKIBARA Sumito

日本

1980年、北海道十勝生まれの道産子活動漫画家。昨年の第8回文化庁メディア芸術祭推薦作品『神谷通信』に続き、今回の『浮楼』で大賞を受賞。2006年にはフランスにて新作を製作予定。

( 2005 )

贈賞理由

作品が始まってすぐ、絵巻物のような平面的な構図のなかに、小さな村の一部と思われる広場が映しだされる。そこでは豆粒のような人物たちが、猫を追いかけ、自転車に乗り、結婚式を挙げ、杖をついて橋を渡る。さて、いつその人物たちのクローズアップになるのかと思いきや、いつまで経ってもカメラは最初の構図を動かず、人物たちも繰り返し猫を追いかけ、自転車に乗り、結婚式を挙げ、杖をついて橋を渡り続ける。見る者は、それら人物の関連性とループのなかにさまざまなものを発見するだろう。進化するテクノロジーにより、いかなるものをいかようにでも形にしてしまうのが現在のアニメーションならば、「リピート」という単純きわまりない手法のなかにコンセプトを滑り込ませるこの作品は、白眉である。

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