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アート部門

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大賞

nijuman no borei

Jean-Gabriel PERIOT

映像作品 [フランス]

広島の原爆ドームに関する膨大な記録写真を丹念につなぐことで、一つの歴史を紡ぎ出したドキュメンタリー映像。静かなモノローグが流れるなか、原爆ドームの位置に合わせて写真がコラージュされ展開していく。

© Envie de Tempête Productions

プロフィール

Jean-Gabriel PERIOT

フランス

1974年、フランス生まれ。ビデオ・劇場向け短編映画監督。アーカイブを使った独自の編集スタイルを展開。ほとんどの作品が暴力と歴史を題材にしている。最近の作品、『Dies Irae』、『Even if she had been a criminal...』、そして『nijuman no borei』は世界中のフェスティバルで上映され、数多くの賞を受けている。

( 2007 )

贈賞理由

本作は、1915年に広島県物産陳列館として開館し、被爆によって廃墟となった原爆ドームの約90年の歩みを、スティール写真1,000枚をアニメーションのコマ取りのように重ねてつくった時間のコラージュである。ドーム(これは半球体であるがゆえにどの方向からでもそれと同定できる)を中心に、その周辺の変化―建設、破壊、復興の過程のドラマが展開される。主人公であるドームは生き物のようにまわりと関わりながら変貌する。過去に幾度もとりあげられ、クリシェに陥りかねないテーマを、ペリオ監督は「作品をつくり続けることで新たな視点を与え感動を引き出すことができる」と核廃絶へのメッセージの継続の重要さを語る。今メディアアートに何ができるか、多くのドキュメンタリーとアートが交錯する試みがなされている現在、静かだが深い感銘を与える作品である。

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