アート部門
優秀賞
Touch the Invisibles
渡邊 淳司 / 草地 映介 / 安藤 英由樹
WATANABE Junji / KUSACHI Eisuke / ANDO Hideyukiモニターに映しだされた小さな人の隊列を指先で倒すと、映像なのに指先に感触が伝わってくる。これは爪の上に貼りつけたデバイスから伝えられた振動によって、指先に触覚が与えられたように感じられるためである。実体がないものをあたかも触ったかのように感じさせるマシン。
© 渡邊淳司 / 草地映介 / 安藤英由樹
プロフィール
渡邊 淳司
WATANABE JunjiNTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員(特別研究員)。
草地 映介
KUSACHI Eisuke1978年生まれ。インターフェースデザインの立場から、メディアアート作品の制作に携わっている。
安藤 英由樹
ANDO Hideyuki1974年生まれ。大阪大学准教授。錯覚を利用したインタフェースの研究と制作に携わっている。
贈賞理由
指を止めているときは単なる爪の上の振動なのに、画面を指でなぞると確かに指先に見えないモノが触れている。そのような不思議な知覚体験がアートになった。ふだん当たり前のように結びつけて感じられている「見ること」と「触れること」の関係性を改めて考えさせてくれる作品である。作者のグループは、最先端の学術的な知覚研究に基づくインタラクティブ作品の発表を続けているが、本作品は技術だけでなくメディアアート作品としても優れた表現となっている点が評価された。