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アニメーション部門

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審査講評

幾原 邦彦

アニメーション監督

「心」 の時代だ。エントリー作品の傾向を見てそう感じた。選外だが『青い花』は時代の気分をうまくすくい上げている。大部分の人にとって人生とは「あなたじゃない」「あなたは間違えている」といわれ続けることだ。そんな世界で生きる僕たちに「そのままのあなたでいい」という出会いの奇跡を『青い花』は見せてくれる。『HAND SOAP』は審査委員の間でも意見が別れた。グロテスクな作風で、現代アートには以前からこの種の表現はあったが、それがついにアニメーション表現にも登場したと感じた。これを「面白い」と観るか「不快」と観るか。審査の議論はまさにそこだった。今回は選外となったが、表現の広がりにおいては注目の1作だった。短編については昨年の『つみきのいえ』の影響だろうか、視聴後に「映画的」な印象を残す作風が多かった。そのことが短編の質を向上させるのか、あるいは似通った作品ばかりにしてしまうのか。今後の短編の傾向に注目したい。

プロフィール

幾原 邦彦

IKUHARA Kunihiko

アニメーション監督

1964年生まれ。1985年京都芸術短期大学卒業。86年東映動画に入社。92年TVアニメ『美少女戦士セーラームーン』シリーズに演出として参加。93年映画『美少女戦士セーラームーンR』監督。96年東映動画を退社。97年TVアニメ『少女革命ウテナ』企画・原作・監督。99年映画『少女革命ウテナ・アドゥレセンス黙示録』監督。2007年TVアニメ『のだめカンタービレ』のOPアニメーション。09年TVアニメ『青い花』のOPアニメーション。ほかに、小説、マンガ原作など。

( 2009 )

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