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マンガ部門

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審査講評

主査 しりあがり 寿

マンガ家

今回もマンガ部門にたくさんの作品が寄せられました。 Webマンガのジャンルに寄せられた作品は携帯電話やWebの可能性を追求した、新しい時代を予感させる様々な試みにあふれ、コマ・自主制作マンガではプロアマ問わず、その多様さ、レベルの高さに目をみはり、ストーリーマンガでは例年にも増して、個性的でマンガの「今」を象徴するような作品が並びました。その結果、受賞作の選考は喜ばしいことですが大変な接戦になりました。特に優秀賞以上5作品は、時代をするどく切り取った意欲作あり、マンガの表現を広げる才能あふれる作品あり、熟練作家の力作あり、どれもが新しい視点と丹念な取材、研ぎ澄まされた技術によって描きあげられた傑作で、大賞の選考は『ヴィンランド・サガ』と『へうげもの』の間で評価が拮抗しました。前者は北欧の歴史をテーマに真っ向からエンターテインメントの王道に挑み、後者は日本の戦国史ではありながら「器」という全く新しい視点から当時の歴史人物をいきいきと描きました。どちらもが大賞にふさわしく、審査会も大いに湧きましたが、一票差で『ヴィンランド・サガ』が栄誉を射止めました。大変充実した選考だったと思います。私ごとですが、今回審査の過程でたくさんの素晴らしい作品と出会えたのは大きな喜びでした。これらの作品が、賞をきっかけに少しでも多くの人の目にふれ、マンガの可能性をひろげることになるように心から願っております。

プロフィール

しりあがり 寿

SHIRIAGARI Kotobuki

マンガ家

1958年静岡市生まれ。81年多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業後、キリンビール株式会社に入社し、パッケージデザイン、広告宣伝などを担当。85年単行本『エレキな春』(白泉社)でマンガ家としてデビュー。パロディーを中心とした新しいタイプのギャグマンガ家として注目を浴びる。94年独立後は、幻想的あるいは文学的な作品などを次々に発表、マンガ家として独自な活動を続ける一方、近年ではエッセイ、映像、ゲーム、アートなど多方面に創作の幅を広げている。2006年より神戸芸術工科大学先端芸術学部教授。

( 2009 )

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