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マンガ部門

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優秀賞

この世界の片隅に

こうの 史代

KOUNO Fumiyo

ストーリーマンガ [日本]

作者の代表作となった『夕凪の街 桜の国』の第2弾ともいうべき作品。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。広島の漁師町に育ち絵を描くことが好きな浦野すずが主人公。呉の高台の町に住み海軍で働く北條周作へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑いながらも一日一日を確かに健気に生きていく物語。

© こうの史代 / 双葉社

プロフィール

こうの 史代

KOUNO Fumiyo

日本

1968年生まれ。広島市出身。1995年『街角花だより』でデビュー。主な著作は『夕凪の街 桜の国』(第8回文化庁メディア芸術祭大賞・第9回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)新生賞受賞)、『さんさん録』『長い道』『ぴっぴら帳』『こっこさん』など。

( 2009 )

贈賞理由

小さくて少し抜けているけれど、いたってまともで優しくて愛おしい主人公すず。主人公の個性は、そのままこの作品の魅力だ。すずは初めて会う男に望まれて海軍の街、呉にお嫁にいく。主人公に導かれ、日本がかつて戦争をしていた日常へとタイムトリップすると、そこは知らないはずなのに妙に懐かしく、貧しいのに豊かで、降りかかる運命は過酷なのに、自然でほのぼのとした清々しい世界。リアルな戦中を舞台にした作品なのに、思想的ではなくみごとに普遍的で、誰もがときめくことができる少女マンガになり得ているところに驚嘆した。今日の物差しで測るのではなく、丹念に調べ丁寧に描き、この時代を受け入れ、なおかつマンガの魅力や冒険に満ちている。作者の創作に対する揺るぎない姿勢が、これを可能にした。心を込めて毎日を生きるって、なんて尊くてステキなのだろうと思わせてくれる、何度も読み返したい名作である。

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