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アート部門

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奨励賞

Succubus

Peter TILG

その他 [オーストリア]

帯状に加工されたスチール板が、まるで生き物のように揺れ、震え、音を立てる。1つひとつの輪は規則に基づいた動きに見えるが、それが集合体となった時、予測のつかない有機的な存在となる。外部からの刺激は、コンピューターのコードや電磁気力を通じてのみ各構成要素に送られ、それによって構造体に命が吹きこまれる仕組み。全長約1.7メートル。

© Peter Tilg

プロフィール

Peter TILG

オーストリア

1979年オーストリア、ウィーン生まれ。99年よりWebやビデオ、プログラミングなど、画面上の各種デザインをフリーランスで手掛ける。04年より、ウィーン応用芸術大学でメディアアートとデジタルアートを学び、10年に卒業。現在は一般的な素材の特性を利用して、デジタルデータやアルゴリズムを物理的に変換することに関心を抱いている。

( 2010 )

贈賞理由

自律的な制御による、生命体の始まりのような表現
有機的な動きと軽い金属音、コントロールされた動きは、大きな泡が見せる不規則なゆらぎや素材感に似る。「Succubus」とは、夢を食べる悪魔のことである。本作品は自律的な調整による機械の動作が、まるで本能的な行為のような奇妙な時間感覚を、見る人に与えるだろう。
磁力の制御によって物体をコントロールしながらも機械的な印象を与えないような配慮がなされている。同時に生命体の始まりであるかのような表現が、素材感との不思議な組み合わせによって達成されている点は見事である。さらに造形的な観点においても、よく配慮された仕上がりで、とても好感が持てた。しかし一方で、大賞と比較した場合に弱い点として挙げておきたいのは、造形的な既視感があり、それが作品をこぢんまりした表現に見せてしまった点である。

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