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マンガ部門

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審査講評

時代性を映し出した受賞作品

さいとう ちほ

マンガ家

大賞の『ヒストリエ』がほとんどの審査員から突出した評価を受け、比較的すんなり決まったのに対し、優秀賞の選定が、横一線にずらりと並び、その中から4本だけに絞り込むのに苦労した。それほど今年の候補作品は多彩で水準の高いものが集中していた。
あまりなじみのない地味な設定をストーリーに組み込んだ労作も多く、歴史を扱った作品には、古代史や近代史などが取り上げられ、マンガ文化の成熟が感じられる選出となった。
マンガ家生活との相性のよさの証なのか、優秀賞は逃したが、ネコマンガ『俺とねこにゃん』は多くの審査委員たちから恋い慕われていた。
そして、色々な面で変化し、危機感が高まりつつある昨今の日本社会の状況が、『ぼくらの』『ディアスポリス異邦警察』『WOMBS』などの近未来を舞台にした作品に感じられたのが印象に残った。

プロフィール

さいとう ちほ

SAITO Chiho

マンガ家

東京生まれ。1982年、「コロネット」(小学館)にて『剣とマドモアゼル』でデビュー。97年、『花音』で第42回小学館漫画賞受賞。アニメ制作集団「ビーパパス」に参加し、97年度TVアニメ『少女革命ウテナ』の漫画版を執筆。TV版と劇場版映画のアニメーション制作にも深く関わる。現在「flowers」でフィギュアスケートを題材にした『アイスフォレスト』、「凜花」で古典原作の『子爵ヴァルモン~危険な関係』を連載中。

( 2012 )

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