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マンガ部門

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大賞

ヒストリエ

岩明 均

IWAAKI Hitoshi

[日本]

舞台は紀元前。異民族スキタイの出身であることを知らず、都市国家カルディアで育ったエウメネスは、ある日養父を殺され、奴隷の身分に落とされてしまう。それが、彼の長い旅の始まりだった......。後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの、波乱に満ちた生涯を描く歴史大作。『寄生獣』で世を震撼させた岩明均が、マンガ家デビュー以前から温めていた物語。

© HITOSHI IWAAKI / Kodansha

プロフィール

岩明 均

IWAAKI Hitoshi

日本

1960年東京都生まれ。85年『ゴミの海』が『モーニングオープン増刊』に掲載されデビュー。93年月刊『アフタヌーン』に連載中だった『寄生獣』で、第17回講談社漫画賞を受賞。代表作に『寄生獣』『七夕の国』『ヘウレーカ』など。現在は月刊『アフタヌーン』に『ヒストリエ』を連載中。

( 2010 )

贈賞理由

細かなエピソードで紡ぎ上げる、壮大な栄枯盛衰の物語
この作者特有の、いつ誰が死ぬかも分からないドキドキ加減、突き放したような明るさと残酷さとが本作品でも全編を豊かに彩り、面白いの一語に尽きる。
主人公の、書物から得る知識と本能的な賢さのみを武器に、変転し続ける数奇な運命を駆け上がってゆくさまは、読む者を壮大でミステリアスな旅路へと導いていく。
日本人にはなじみの薄い古代オリエントという時代背景は、作品中の細かなエピソードに絡めてさりげなく説明されており、大変読みやすい。
栄枯盛衰が繰り返される中、生き残る人間があり滅びて行く民族もあり、その果てに書物に記されることで残ったもののみが「歴史」であることを強く感じさせる。物語はまだ序章。作者がこの作品を、文字通りの「ヒストリエ」に完成させてくれるのを楽しみに待ちたい。

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