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アート部門

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新人賞

HIMATSUBUSHI

植木 秀治

UEKI Hideharu

映像作品 [日本]

列車に乗車している際に誰もが想像してしまうような情景をコミカルに映像化した作品。車窓から見える光景に合わせて、ブルーバックで合成された白い人影のキャラクターが家屋や電柱の上を飛び跳ねていく。実際に撮影した東京から静岡までの新幹線で1時間ほどの道のりと、映像内を飛び回る人影とを巧みに組み合わせて制作された。
(62分35秒)

© UEKI Hideharu

プロフィール

植木 秀治

UEKI Hideharu

日本

1982年生まれ。2006年、武蔵野美術大学卒業。同年、毎日・DAS学生デザイン賞映像部門賞受賞、デジタルスタジアムベストセレクション受賞。07年、博報堂プロダクツ入社。11年、リマーカブル・ディレクター・オブ・ザ・イヤーファイナリストに選出される。

( 2011 )

贈賞理由

幻影と遊ぶ、退屈な車窓景色
視界を流れていく風景というのはまさに映像的だ。1964年の開業以来、都市化する日本の風景を車窓に映してきた新幹線。この流れる風景に着想を得た本作品は、白い人影が東京駅から静岡駅まで、新幹線に並んで走り抜ける。街と街が切れ目なく繋がる日本独特の風景の中を、人影はビルからビルへ、屋根から屋根へと飛び移り、線路や電線の上を小走りし、トンネルもするりと抜ける。さらに新富士辺りで現れる富士山にもひと登り。遅れをとったり離れすぎたり、時々画面から消えてしまったりもしながら、日常風景に紛れ込んだその小さな介入者は、加速する移動の時代をユーモラスに擬人化する。どの土地でも画一化が進む風景、ルーティンの背景に埋没し、凡庸になりゆく身の回りの景色を微笑ましいものに変える、脱力系の魅力を放つ長編映像である。

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