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アート部門

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新人賞

Monkey Business

Ralph KISTLER / Jan SIEBER

インタラクティブアート [スペイン]

かわいいサルの人形が、人間の体のしぐさを真似るインタラクティブ・インスタレーション。サルの内部に埋め込まれた、指示通りに動くよう構成されたセンサーやマイクロコントローラーで稼働する10個の制御装置によってサルが、人間の動きを滑らかにトレースする。人間そっくりのロボットよりもぬいぐるみの方に人間らしさや愛着を覚えてしまうというアイロニカルなアプローチを、サルの姿を借りて提示した作品。

© Ralph Kistler and Jan Sieber

プロフィール

Ralph KISTLER

スペイン

1969年、ドイツ・ミュンヘン生まれ。テネリフェ島(スペイン)在住。曖昧で時にアイロニカルな作品から、今日の社会現象を風刺するような作品を制作し続けている。これまでPiksel07(ベルゲン)、Paraflows08(ウィーン)、Arco07(マドリッド) 、Kunsthal KAdE(アメルスフォールト)などで作品を発表してきた。

( 2011 )

Jan SIEBER

スペイン

1975年、ドイツ・ハイルブロン出まれ。ワイマール在住。インターフェースデザインや電子音響音楽など多様なメディアに関わるメディア技術のエンジニア。自身の会社interactions.ccでは、インタラクティブメディアシステムの開発に携わっている。

( 2011 )

贈賞理由

サルの模倣行為で迫る「類似と共感」の本質模倣行為の核心は、模倣される対象と模倣する主体がそもそも異質である点にある。その2つはまったく似ていない。模倣行為においてだけその類似性、同質性は実現される。そっくりなものを作ることとそっくりなふるまい、この2つは根本的に違う。それを理解せずにいかに無駄なヒューマノイドロボットの研究が積み重ねられてきたか。異なるものの間に同質性=共感性を実現する——これはコミュニケーションの基本であり、メディアの役割は本来ここにあったはずだ。だから猿楽(猿真似)から異次元の幽玄を媒介する芸能=能楽への展開もあった。猿のぬいぐるみが人の仕草をそのまま模倣する『Monkey Business』。そのお茶目さは真摯な愛、真理の探求に必ず付随する性質でもあった。その仕草のけなげさは人の精神の尊厳そのものを示している。

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