今年度のフェスティバルへ

マンガ部門

部門トップに戻る

優秀賞

秘密 トップ・シークレット

清水 玲子

SHIMIZU Reiko

単行本・雑誌 [日本]

難事件に立ち向かう「科学警察研究所 法医第九研究室」の捜査員の活躍を描く近未来漫画。死亡してしまった事件の犯人や被害者の脳を「MRIスキャナー」にかけ、生前の記憶を映像化し、普通なら知りえない他人の脳内の「秘密」を元に事件の真実に迫る。繊細な線ながら、作り込まれた世界観と登場人物らの魅力が、「サスペンス」の枠だけにはとどまらない芯の太い物語を駆動させる。白泉社刊行の隔月誌「メロディ」で連載中。

© 清水玲子 / 白泉社

プロフィール

清水 玲子

SHIMIZU Reiko

日本

東京生まれ、熊本育ち。1983年、「LaLa」(白泉社)掲載の『三叉路物語(ストーリー)』でデビュー。『輝夜姫』で第47回小学館漫画賞受賞。代表作には『月の子 MOON CHILD』『秘密 トップ・シークレット』など。デビュー以来、本格的なSF仕立ての作品を数多く発表している。

( 2011 )

贈賞理由

華麗な絵柄と巧みなストーリー展開のサイコサスペンス
実に緻密に構成された、近未来サイコ・サスペンス。舞台は50年後の日本、死亡した被害者や犯人の脳から5年前までの視覚記憶を映像として再生し、事件の隠れた真相に迫る「MRI捜査」の技術が確立。担当する独立捜査機関の責任者である切れ者・薪警視正と彼を慕う捜査官たちの、手がかりなき犯罪への挑戦が描かれる。犯罪捜査のため、他者の過去や私生活の「秘密」を暴くことは、どこまで許されるのか。人は果たして、それを知ることに耐えられるのか。物語は、権力と正義をめぐる根源的な問いを突きつける。時にグロテスクな描写と華麗な絵柄との見事なバランス、上質のストーリーテリングとキャラクターの魅力、扱うテーマの現代性などに高い評価が集まった。主人公自身の「秘密」をめぐる物語もいよいよクライマックス。満を持しての受賞といえる。

部門トップに戻る