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マンガ部門

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新人賞

御誂 人情幕ノ内 まげもん。

昌原 光一

MASAHARA Koichi

単行本・雑誌 [日本]

江戸のとある長屋を舞台に繰り広げられる、様々な人間模様を描いた短編集。親子、夫婦、友人など、各々の「絆」を通して、希望とやさしさに満ち満ちた江戸の日常を綿密な筆致で描き尽くしている。デフォルメされたキャラクターの活き活きとした表情の豊かさや、写実的で精微な町並みの描写、光と影の表現方法は、江戸という遥か遠い昔の風景と、そこに生きる人々の交流を読者の眼前に再現する。

© 昌原光一 / リイド社

プロフィール

昌原 光一

MASAHARA Koichi

日本

漫画家・高井研一郎氏のアシスタントを経て、1999年、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)の青年漫画大賞グランプリを受賞。同年、受賞作『nobody understands』で同誌デビュー。現在「月刊コミック乱」(リイド社)にて『御誂 人情幕ノ内 はなまめ。』を連載中。

( 2011 )

贈賞理由

江戸下町の人々を活き活きと描く人情劇
「しみじみ」は「ほのぼの」ではない。心の中に一生闇を抱え込んでいる場合もあれば、人知れぬ痛みに耐え続けていることもある。本作の舞台の多くは江戸の下町。登場するのは落語や人情噺に出てくるような人物たちであるが、この作者独特の突き放すでもなく、なつくでもない絶妙の距離感と、冷酷にも見え、それでいて決して見放すことのない鋭い人間観察が、他に類のない不思議な切れ味と温かさを醸し出す。『まげもん。』はそうした読後感を与えてくれる作品であり、底の浅い人情噺(にんじょうばなし)とは一線を画している。連作短編集であり、画風も内容も時にガラッと変わる。キャラクターは極端なまでにデフォルメされるし、画面も絵本のようになったり細密画に近い風景まで現れるが、当時の人々が確かに暮らしたであろう「江戸の夜」を実感させてくれる画力はスゴイ。

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