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マンガ部門

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新人賞

なかよし団の冒険

西村 ツチカ

NISHIMURA Tsuchika

単行本・雑誌 [日本]

どこかいびつな男女の関係を独特の画風でポップかつ大胆に描き出している。いじめ、ロリコン、盗撮などといった現代的なテーマを、独創的な視点でメルヘンとも表現しうる世界に変換。切れ味の鋭いセリフ表現や独特の「間」の持たせ方、ブラックなドラマ展開などが若い世代の読者を中心に共感を得ている。豊かな感受性に彩られたデビュー間もない新進気鋭のマンガ家の才能が溢れる、著者初の単行本となった短編集。

© 西村ツチカ 2010

プロフィール

西村 ツチカ

NISHIMURA Tsuchika

日本

神戸生まれ。商業誌に限らず、同人誌「ジオラマ」への参加など幅広く活動する。連載中の「comicリュウ」における著者のキャッチコピーは「ある種の天才か変態」。吾妻ひでおや安彦良和などの巨匠から「絵のうまさが際立っている」と評価されている。代表作に『かわいそうな真弓さん』など。

( 2011 )

贈賞理由

奇抜なストーリー展開で不条理を描ききる大型新人
奇妙な作品群のすべてに通底するのは、登場人物が加害者であれ被害者であれ、その表情に漂い続ける不思議なまでの「思い詰め」と緊張感である。それはある意味、『叫び』で知られた画家、ムンクの抱く「憂鬱感」に近いものかもしれない。人は、次の瞬間に何をするか分からない生き物で、その点が他の動物と決定的に違う。そうした怖さの中で人間は互いに付き合っていかねばならない。その不条理を冷静に描き続けられる作者の腰の据わりと、何より絵の大胆さとスピード感は素晴らしく、将来大化けする可能性まで秘めている「大型新人」といえるだろう。

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