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アート部門

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新人賞

Outback and Beyond

Grayson COOKE/Mike COOPER

メディアパフォーマンス [ニュージーランド/イギリス]

ラップスティール・ギターと解体されたブルース、電子楽器からなるサウンドに、オーストラリア国立フィルム&サウンドアーカイヴ所蔵の映像素材をライヴ・リミックスしたライヴ・エレクトロニック・オペラである。サウンドを演奏するCOOPERはまた、1870年代、オーストラリアに大陸縦断電信線を設置したCharles TODD氏の挑戦について歌う。オーストラリア奥地(outback)が舞台のロードムービーのサウンドトラックと、COOKEにより古い映像を組み合わせたこの作品は、観客に、西部劇フィルムの主題と美学とを想起させる。重要なのは、これがオーストラリア奥地に組まれた西部劇セットで撮影されたということであり、そこには土地や歴史、人々との、オーストラリア固有の関係性が反映されている。

Materials in "Outback and Beyond" appear courtesy of the National Film and Sound Archive, Frontier Services and the John Heyer Estate. Materials in "Outback and Beyond" ppear courtesy of the National Film and Sound Archive, Frontier Services and the John Heyer Estate.

プロフィール

Grayson COOKE

ニュージーランド

学際的研究者、メディアアーティスト。オーストラリアのサザン・クロス大学芸術社会学部の専門講師でもある。研究成果を紙媒体でもオンラインでも数多く発表しており、ライヴ・オーディオヴィジュアル・パフォーマンスを各国で行なっている。

( 2012 )

Mike COOPER

イギリス

ラップスティール・ギターと電子楽器、ヴォーカルを担当。過去40年にわたり世界中で音楽活動を行ない、自身の音楽の幅を押し広げてきた。これまでに80作品以上の録音に参加。現在はソロ作品のほとんどを、自身のレーベル「HIPSHOTレコード」で発表している。

( 2012 )

贈賞理由

この、作者の言うところの「オーストラリア版西部劇」を題材にした即興オペラには、技術的に特に新しい試みがあるわけではない。しかし、記録映像などを素材としながらもライブ演奏によってそれらを現在のテクノロジーと無理なく融合させ、みずからの歴史、風土を参照しつつ「いま、ここ」にある文化を考え、実践していく作者の姿勢に共感した。誰にでも手に入れられるようになったテクノロジーと個人の表現、そして文化のあり方を気負うことなく問い直すこの作品は新人賞にふさわしいと判断した。

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