今年度のフェスティバルへ

マンガ部門

部門トップに戻る

優秀賞

ましろのおと

羅川 真里茂

RAGAWA Marimo

[日本]

津軽三味線を背負い、単身、青森から東京へやってきた津軽三味線奏者「澤村雪せつ」。師でもあった祖父を亡くし、自分の弾くべき音を見失ってしまった雪だが、さまざまな人と出会いながら今、自らの音を探す旅を始める。少女漫画の世界で活躍を続けてきた羅川真里茂が、新たに少年漫画のフィールドに挑んで発表した青春ストーリー。「津軽三味線」は、羅川がずっと描きたいとあたためてきたテーマである。
(『月刊少年マガジン』連載開始:2010年12月6日発売号〜連載中)

©羅川真里茂

プロフィール

羅川 真里茂

RAGAWA Marimo

日本

1990年、『タイムリミット』にてデビュー。代表作に『赤ちゃんと僕』『しゃにむにGO』など。現在は『月刊少年マガジン』で『ましろのおと』を連載中。別冊『花とゆめ』では『いつでもお天気気分』を不定期連載中。

( 2012 )

贈賞理由

津軽三味線という素材を、音の出ないマンガという表現を用いて描き切っている。それは高い技巧と表現上の工夫の成果であるが、それに留まらず「音の出ない」マンガであるからこそ到達が可能な領域を感じさせる。それは音そのものではなく、音楽によってもたらされる感動体験である。つまり本作を読むというマンガ読書体験においてもたらされる「感動」をもって、演奏を聴く体験に肉薄するという難行である。また少年マンガ的な「勝負」の連鎖といったクリシェを用いつつ、登場人物たちが互いにより高次の音楽体験へと達しようという主題は、本作自身が今述べたようなマンガとしての表現の高みへと達しようという営みと呼応するものであろう。

部門トップに戻る