今年度のフェスティバルへ

マンガ部門

部門トップに戻る

優秀賞

ムチャチョ—ある少年の革命

エマニュエル・ルパージュ
訳:大西 愛子

Emmanuel LEPAGE
Translation: OONISHI Aiko

[フランス/日本]

1976年、独裁政権下の中米ニカラグア。教会の壁画制作を任された若い修道士「ガブリエル」は、「ものの表皮」の奥に隠された美を知り、貧しい村人やゲリラとの接触を経て、革命に身を投ずる。困難な時代を駆け抜けたある少年の成長の記録。芸術、愛、革命─『ムチャチョ─ある少年の革命』は、若き修道士の複雑かつ波乱万丈な運命を通して描かれる情熱の物語だ。作者エマニュエル・ルパージュは、熱く率直な思いを込め、その才能と豊かな人間性を駆使して普遍的なテーマの作品をつくり上げた。深く胸を打つのみならず、愛と政治参加についても考えさせられる作品。
(原書出版年月:2004年5月5日/翻訳書出版年月:2012年4月12日)

©Dupuis, by Lepage Muchacho

プロフィール

Emmanuel LEPAGE

フランス

1966年、フランス、ブルターニュ生まれ。建築を学ぶ傍ら、バンド・デシネの創作活動を始め、雑誌などに作品を発表。91年『Névé』で本格デビュー。本作『ムチャチョ』は彼が物語と作画の両方を手掛けた最初の作品。最新作『Un Printemps à Tchernobyl』 は、すでに本国で各賞にノミネートされ、高く評価されている。

( 2012 )

贈賞理由

絵の新鮮さと素晴らしさに加え、マンガとしての読み口も、現代に見合う読ませ方とスピード感を持っている。革命のもたらす使命感とともに、完遂した後にはもう別の時間が流れているという寂寥感なども充分に感じられ、少年が大人になる成長過程も読み取れる。自然なかたちで戦争(非常事態)のなかにある同性愛にも触れ、極限状態にあるヒトの想いを、流れるように読者に染み込ませることに成功している。欧州マンガの新しい流れがここに感じられる。今年、2本の欧州マンガ作品が受賞したこととともに、マンガ共和国の広がりとつながりを喜びたい。

部門トップに戻る