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アニメーション部門

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  • © 2013 sukimaki animation. All Rights Reserved.

新人賞

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WHILE THE CROW WEEPS ―カラスの涙―

鋤柄 真希子/松村 康平

SUKIKARA Makiko / MATSUMURA Kohei

短編アニメーション [日本]

動物だけが持つことを許された「生きる」という本源的な意志や本能を主題とした作品。彼らのよどみのない純粋な生に対する意志は、言葉を持たないこと―つまり言葉(=思想)如―に生来するパトス(情念)に他ならない。本作の「子ガラス」と「母」の関係は、生と死という矛盾する二つの概念が、互いに補完し合い、両者が一体となってひとつの全体性をなす“融即”の関係にあることを物語っている。自分のために犠牲となった亡き母を捕食し、命をつないでいく「子ガラス」を描くことを通じて、我々人間にとっては禁忌とされるカニバリズムをやすやすと超え、己以外の他者に生命が融けてゆく象徴的なイメージを表現している。

8分

技法:岩絵の具や墨汁等を素材とした、切り絵やドローイング。マルチプレーン撮影台を使用

© 2013 sukimaki animat ion. All Rights Reserved.
監督・アニメーション:鋤柄真希子|脚本・撮影・編集:松村康平|音楽:竹村延和

プロフィール

鋤柄 真希子

SUKIKARA Makiko

日本

大学在学中よりアニメーション制作を開始。2007年、チェコのフィルムスクールへ短期留学。2008年、処女作『蜉蝣』がNHKデジタルスタジアム(今敏セレクション)に入選。『雪をみたヤマネ』(2010)、『やまなし』(2011)は国内外の映画祭で上映されている。また2012年より人形劇団JIJOとの舞台作品『マリオメーション』を始動。JAA(日本アニメーション協会)会員。

( 2015 )

松村 康平

MATSUMURA Kohei

日本

2000年代初期より映画、写真作品の制作を開始。自作以外にも様々なアートシーンに於ける映像制作を手がける。2005年、『internet images』(林口哲也との共作)がキヤノン写真新世紀優秀賞。2012年、『John Cage 100th Anniversary Countdown Event 2007-2012』の記録映像を完遂。2014年、最新作『Scene Missing』がカンヌAVIFFにて上映。

( 2015 )

贈賞理由

自然の中で厳然と生きる生命を描いてきた鋤柄真希子の、渾身の新作である。曇天の夜明けの空。霧の厚み。浮かび上がるカラス一羽一羽のしぐさ。丹念に描かれたその見事な質感と描写の確かさにまず圧倒される。そしてカラスたちの表情に、擬人化された感情解釈は一切描かれない。この世界の緊張感、その中で生きること、死ぬことが全く等質に、ひとつの大きなイデアに包み込まれ、ただそれに基づき乍ら生きるカラスたちの姿や行為を、尊厳を込めて描き切っている。自主制作でこのような短編を発表し続けている作者の今後に期待したい。(和田 敏克)

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