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アート部門

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  • Photo: Joerg Baumann / ruhrtriennale

優秀賞

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Situation Rooms

Rimini Protokoll

インタラクティブアート [ドイツ / スイス]

本作は、観客がiPadを持って映画撮影用セットを巡り、画面に映し出されるインタビュー映像を見ながら体験するインスタレーションである。ここでは、「武器」によって人生が左右された、さまざまな出生を持つ20人が登場する。グローバル化した世界を再構成するかのようなセット内では、ピストルと携行式ロケット弾、ライフル銃と無人機、支配者と難民といった予期せぬ関係や隣人に出会ったり、すれ違ったりする。観客はセットの中で、iPadで表示される“住人”を追い、それぞれの道を進み、“住人”の身の上に起こった体験談を、見て、聞いて、体験することによって、自らもまた“住人”となっていく。観客はさまざまな出来事に巻き込まれながら、他の参加者とともに、登場人物の視点を追うようにして進んでいく。映画のセットという迷宮に迷い込むことで、観客は複雑で緻密な複眼的な視点から、“目撃者”を再現する役割を担うのである。

80分

素材:ミクストメディア、映画撮影用セット(2階建15部屋)、映像20作品(iPad miniで鑑賞)

空間:縦1,200 ㎝ ×横1,400 ㎝ × 高510 ㎝ 

重さ:21,789 kg

©Rimini Protokoll, Helgard Haug, Stefan Kaegi, Daniel Wetzel, Dominic Huber, Chris Kondek
A project by: Helgard Haug, Stefan Kaegi, Daniel Wetzel | Scenography: Dominic Huber / blendwerk | Video: Chris Kondek | Sound: Frank Böhle | Technical Director / Light: Sven Nichterlein | Research: Cornelius Puschke / Malte Hildebrand | Light: Hans Leser / Stefan Neumann | Electronic Effects: Georg Werner | A production of Rimini Apparat and Ruhrtriennale, in co-production with Schauspielhaus Zürich, SPIELART Festival & Münchner Kammerspiele, Perth International Arts Festival, Grande Halle et Parc de la Villette Paris, HAU - Hebbel am Ufer, Künstlerhaus Mousonturm Frankfurt am Main, Onassis Cultural Center-Athens | Funded by the German Federal Cultural Foundation and the Regierende Bürgermeister of Berlin - Senate Chancellery - Cultural Affairs | With the generous support of oscillation GmbH. Funded by the German Federal Cultural Foundation

プロフィール

Rimini Protokoll

ドイツ

Helgard HAUG、Stefan KAEGI、Daniel WETZELが2002年に結成した、現代的な形式の劇作家・演出家チーム。ネオ・ドキュメンタリズムの中心的存在として知られ、それぞれの分野の専門家の研究に基づいて制作した作品を多数発表。09年より計4回フェスティバル/トーキョーに招へいされている。

( 2013 )

贈賞理由

現代社会を巡る諸問題をテーマとして、演劇の新しい可能性を模索する「リミニ・プロトコル」の作品。観客は部屋を巡り歩きながら、テーマである人間世界の武器に関してさまざまな立場の人物たちが語る現実を追体験する。観客/参加者が「いま・ここ」に設えられた「作品の中」で手にするiPadはドキュメンタリー映像の単なる表示装置ではなく、またロールプレイングゲームのためのナビゲーションでもない。それは、取材されたそれぞれの人物たちの「現実」を、時空を超えた「いま・ここ」に顕現させるためのハイテク・デバイスであり、作品全体は観客/参加者たちが同じ「いま・ここ」に居ながら別個にそれらの現実を「共有」するための舞台なのである。テーマの選択、舞台として設定された空間、作品における観客/参加者たちの位置付けなど、作家(チーム)の基本姿勢はここでも一貫しており、現代テクノロジーを用いた真摯な表現を驚くべき完成度で実現させた。(三輪 眞弘)

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