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アート部門

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  • Photo: 三原聡一郎

優秀賞

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 を超える為の余白

三原 聡一郎

MIHARA Soichiro

メディアインスタレーション [日本]

本作は、エアーポンプ、電源制御回路、水、シャボン液、グリセリン、エタノールそして電気を用いて空間中に「泡」を発生させるインスタレーションであり、2011年より作者が展開する「空白」のプロジェクトの一環に位置付けられている。テーマである「空白」は、アートの観点による未解決の“問い”のためのスペース、常に変化し続ける把握不能な“規模”を示す。作者にとって、何かを失った「空虚」な出来事の印象は、時を経て「空白」に変化していった。本作では、常に変化するこの現代の状況を「泡」の生成によって具現化した。具体的な形を持たず、重さもない、巨大な塊として変化し続ける「泡」。観客にそれを直視させることで、「社会」のあり方に気付きを与える作品。本作の光景は、当事者と他者の関係性、社会を規定する近代以降の枠組み、3.11以降の今を考えるための多様な視点について、議論のきっかけを生み出している。

(素材:泡、エタノール、ポンプ、電源制御回路、電気)

©2013 Soichiro Mihara. All rights reserved.
協力:山田興生/公益財団法人東京都歴史文化財団トーキョーワンダーサイト/關渡美術館

プロフィール

三原 聡一郎

MIHARA Soichiro

日本

1980年、東京都生まれ。世界へ開かれた芸術作品として音響を基軸にしたシステムを提示している。 2011年より、この社会を成立させるテクノロジーと「   」の関係性を探る空白をテーマとしたプロジェクトを展開。現在、バイオテクノロジーの考察の為、オーストラリアの「SymbioticA」にて滞在中。

( 2013 )

贈賞理由

アーティストはこれまでも、思い描いていることを実現するために、いろいろな素材と格闘し、何とかコントロールしようとしてきた。例えば、「泡」という、空白を抱え込んだ素材に対して、まずはどのようにその素材を発生させるか? どのように全体を構築するか? 無限にある組み合わせの中から、構想するイメージに最も近付けるひとつの方法を決め、作品に仕上げていく。その過程で重要なことは、新しい素材や新しい技術に接した時に、その素材や技術の新しさに熱中するばかりではなく、客観的な視点を持ちながら全体を構築していくことだ。三原聡一郎の『  を超える為の余白』は、そういった作品制作への姿勢を感じさせてくれるとても良い作品だ。これは新しい素材を使うことの多い、メディアアーティスト全般にとって、大変重要な要素だといえる。(高谷 史郎)

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