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新人賞

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Maquila Region 4

Amor MUNOZ

メディアパフォーマンス [メキシコ]

本作は、格差社会を扱ったプロジェクト型の作品だ。作家自らがメキシコ郊外の貧困地域を手工芸品製作用のリヤカーで回り、アメリカの最低賃金(メキシコの10倍以上)で人々を雇う。雇用者は電子回路のモチーフを、通電性の糸で布地に刺繡していき、センサーに近付くと音色を奏でるアラームに仕上げていく。ひとつの製品を作成すると、労働者はそこへBiDiコード(QRコード)を刺繍する。このコードをスマートフォンで読み取れば、誰でも制作過程を記したウェブサイトを閲覧でき、労働者の名前、場所、作業した日や期間、l賃金、刺繡した回路図などの情報を参照することができる。現代社会における雇用者、労働者、消費者の関係性を浮き彫りにした作品である。

©2013 Maquila Region 4 All rights reserved.
Production Assistance: Nestor Jimenez, Jennifer Garcia, Florencia and Denti.

プロフィール

Amor MUNOZ

メキシコ

1979年、メキシコ生まれ。メキシコ国立自治大学(UNAM)で法律を、ニューオーリンズ・アカデミー・オブ・ファインアーツでヴィジュアルアートを学んだ。ドローイング、刺繍、電子コンポーネントを用いて制作しており、伝統的な工芸品と科学技術のダイアグラムや機具を並べた大型のインタラクティブアートの作品を発表している。

( 2013 )

贈賞理由

今世紀に入って情報は瞬時に世界をかけ巡り、経済のグローバル化が進む一方で、貧困や格差はますます進んだと言われている。その格差問題にあえぐメキシコ出身の作家による作品は、暴力とも考えられるこのグローバリゼーションに抗うものと言えよう。大国アメリカと国境を接する自国の経済格差を明らかにしながら、「人の手」によって生み出された刺繡。そこに含まれるBiDiコード(QRコード)を読み取り、デジタル技術を用いることで「手」の持ち主の背景が語られ、我々の現代社会が抱える問題が見事に顕在化されている。(植松 由佳)

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