今年度のフェスティバルへ

開催内容

受賞作品展

会期:

2015年2月4日(水)~2月15日(日)

会場:

国立新美術館 、シネマート六本木、スーパー・デラックス

協力:

シネマート六本木、スーパー・デラックス、J-WAVE

入場無料


贈呈式

日程:

2015年2月3日(火)

会場:

国立新美術館


募集期間:

2014年7月7日(月)~ 9月2日(火)


主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会

関連書類

文化庁メディア芸術祭実行委員会

会長:

青柳 正規 (文化庁長官)

運営委員:

青木 保 (国立新美術館長)
建畠 晢 (京都市立芸術大学長)
古川 タク (アニメーション作家)

審査委員:

アート部門

主査:三輪 眞弘(作曲家/情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授)
植松 由佳(国立国際美術館主任研究員)
岡部 あおみ(美術評論家)
佐藤 守弘(視覚文化研究者/京都精華大学教授)
高谷 史郎(アーティスト)

エンターテインメント部門

主査:久保田 晃弘(アーティスト/多摩美術大学教授)
飯田 和敏(ゲーム作家/デジタルハリウッド大学教授) 宇川 直宏(現在美術家/京都造形芸術大学教授/DOMMUNE主宰)
東泉 一郎(デザイナー/クリエイティブディレクター)
米光 一成(ゲームデザイナー/立命館大学教授)

アニメーション部門

主査:和田 敏克(アニメーション作家)
大井 文雄(アニメーション作家)
小出 正志(アニメーション研究者/東京造形大学教授)
髙橋 良輔(アニメーション監督) 森本 晃司(アニメーション監督)

マンガ部門

主査:すがや みつる(マンガ家/京都精華大学教授)
伊藤 剛(マンガ評論家/東京工芸大学准教授)
犬木 加奈子(マンガ家/大阪芸術大学客員教授)
斎藤 宣彦(編集者/マンガ研究者)
ヤマダ トモコ(マンガ研究者)

功労賞

総評

建畠 晢

京都市立芸術大学長

今回の受賞作をはじめとするメディアアートの作品を見ていて改めて印象付けられたことが二つある。一つは、芸術におけるテクノロジーとは、新たな表現の可能性をもたらすと同時に、私たちの社会に対する批評性をも帯びており、それはテクノロジーによるテクノロジーへの自己批評ともいうべき試みを通じて立ち現れてくるという事実である。もう一つはテクノロジーとはそれ自体がポエジーを宿しているのではないかという、不思議といえば不思議な感覚である。
たとえばアート部門・優秀賞の五島一浩の『これは映画ではないらしい』は、映画をはじめとする私たちの時代の動画がすべて静止画の連続性によって成立しているのに対し、コマのない光の線として記録された動画を再生してみせている。まさにテクノロジーの自己批評の典型をなす作品であって、単なる発想の転換の機知を越えた、メディアアートならではのフィロソフィーに触れているように思われた。
エンターテインメント部門・大賞のGoogle's Niantic Labsの『Ingress』が、多人数の参加型ゲームの仮想空間に付加した「エキゾチック・マター」というフィクションもまた、見方次第ではテクノロジー自体のポエジーの位相を示す試みといえなくはない。このコンペを勝ち抜いたさまざまな領域のアーティストたちは、新奇さよりも思想的な内容を深めつつあるように思われる。メディアアートの成熟を本芸術祭が明らかにしえていることを喜びたい。

古川 タク

アニメーション作家

今年も各分野にて表現の可能性を探る新しい企みの数々が提示された。アート部門の優秀賞のひとつ『これは映画ではないらしい』は、これまでの連続静止画ではなくて動く画を光の線として露光、撮影再生するまさしく「映画ではない」動画の誕生を提示した。エンターテインメント部門では、ゲームが街に飛び出した話題の陣りゲーム『Ingress』が大賞を得た。Google社の今後の企みも気になるところではあるが、しばらくはこのゲームのシステム、青組と緑組のせめぎ合いに付き合ってみようか。アニメーション部門の大賞には、9分21秒の短編をひっさげて、久々に超大型新人が登場した。処女作にして既に将来の巨匠の誕生を予感させる力量だ。『The Wound』に続きこれから生み出される作品群に大いに期待したい。マンガ部門では、『五色の舟』が大賞に輝いた。話題を呼んだ原作の日本SF小説を、見事に脂の乗り切った巨匠作家のマンガ作品としてヴィジュアライズしてくれた。
昨今の日本の風潮を見ていると、なんだか2020年のオリンピック目指してテクノロジーとともにまっしぐらに疾走しかねない気分があるが、おっとどっこい、そうは問屋が卸さない、今立ち止まって考えなければいけないことは山程ある。処理しなきゃいけない問題が、文字通り山積みになっている。膨大なデータを前にして、アーティストたちの鮮烈なアイデアの閃きに感心し、期待してしまう。ちょっと苦しいときの神頼みのきらいもあるが、アーティストのみなさん、なんとかお願いします。そういう時代だと思う。