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アニメーション部門

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  • © Ural-Cinema

大賞

The Wound

Anna BUDANOVA

短編アニメーション [ロシア]

心の傷(英・wound ウーンド)に苦しむ少女。その傷が少女の空想の中で、毛むくじゃらの生き物・ウーンドとして誕生するところから物語は始まる。かけがえのない親友として少女とともに成長していくウーンドは、彼女の頭の中にすっかり居ついて、だんだんと存在感を増し、やがてその人生を完全にコントロールするようになる。作者の幼い頃の記憶をもとに作られた本作は、数名の友人から成る少人数のチームで制作された。特に音作りにはこだわりがあり、水道管を用いて特殊な効果音をつくるなど独特なサウンドトラックを作るために、さまざまな工夫がなされている。少女とウーンドが繰り広げる、悪夢のようでありながらも美しい短編アニメーション。

9分21秒

© Ural-Cinema

プロフィール

Anna BUDANOVA

ロシア

ロシア、エカテリンブルグ生まれ。2005年、Architectural Academy of Art アニメーション科入学。在学中から作家及びさまざまな映像作品のアニメーターとして活動し、複数の学生映画祭にて高い評価を得た。11年に卒業後、初監督作品『The Wound』が、複数の国際的な賞を受賞した。

( 2014 )

贈賞理由

動きに躍動感、重さ、ワクワク感や愛嬌があり見ていて気持ちが良い。個々のキャラクターの表現、アイデアなどが丁寧に整理されている。場面ごとの緊張感を絶やさず背中を押すように荒々しく続いていく音楽のセンス、そして、どこで映像を止めても、まるで絵本を開いたような完成度のあるレイアウトに驚かされる。心の傷の深さは、本人にしか分からないと諦めている人に見て欲しい。生きていく上で、自身の心の傷をどう愛せるのか、間違った愛し方を選んだ場合はどうだろうか。孤独、恋愛から生じる嫉妬や誤解、悲しみ、痛みは、一人の人間が成長するためには避けては通れないものである。人は他人なしで生きてはいけない。友達を作りたいが失敗を恐れて声を掛けられない、待っていても何も変わらないことも分かっている、新しい扉を開く挑戦を途中でやめてしまう……。そういった感情は君だけじゃないということを示してくれる。作者の26歳という年齢が次の作品を大いに期待させる。(森本 晃司)

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