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アート部門

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  • Still from Temps mort / Idle times ©Alex Verhaest 2014

新人賞

Temps mort / Idle times – dinner scene

Alex VERHAEST

インタラクティブ映像インスタレーション [ベルギー]

伝統的な絵画様式を彷彿(ほうふつ)とさせる映像によって、ある古典的な家族の物語を描く映像インスタレーション。会場には、映像が映し出される複数のモニターがあるが、すべてがひとつの物語として構成されている。鑑賞者がモニターの前で電話を掛けると作中の人物が応答するなど、鑑賞者はインタラクティブな仕掛けにより、それぞれの映像の要素と鑑賞者が関係を結ぶことができる。映像表現を操作するシステムを研究し、実装することによって物語やキャラクターはいかにして作られるのか、創作プロセスにおける編集という操作が果たす役割、また鑑賞者をいかにして幻想の世界へと誘うことができるのか、そしてインタラクションがどのように幻想を作り出すのかといった問いを投げかける。

9分

©Alex Verhaest

プロフィール

Alex VERHAEST

ベルギー

1985年、ベルギー生まれ。言語や物語、コミュニケーションの不可能性を強く意識させる作品を制作する。それぞれのプロジェクトにおいて、物語調の台本をベースに一連の作品に取り組んでいる。現代のテクノロジーを駆使した、非常に高精度な絵画的映像作品を通じて、絵画と映像を並列的なメディアとして提示し、映像表現の新しいあり方を問う。

( 2014 )

贈賞理由

本作は、死というロマン主義的な主題に、集団肖像画や静物画といったヨーロッパの古典的な絵画の様式を採用しながら、映像や電話によるインタラクションという現代的なテクノロジーを使用することで、「時間」という次元を付け加えている。映像などの諸メディアによる記録が出現したことによって、時間が直線的に進むものではなくなっている現代を、アレゴリカルに示唆した意欲的な作品である。美術史を参照することで、現代における事象を異化する作品がしばしば見られる中、作者が今後どのような展開を見せてくれるのかに期待したい。(佐藤 守弘)

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