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エンターテインメント部門

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  • ©Monobanda PLAY / DUS architects

優秀賞

3RD

Hedwig HEINSMAN / Niki SMIT / Simon van der LINDEN

インタラクティブインスタレーション [オランダ]

インタラクティブインスタレーション作品『3RD』は、公共空間におけるソーシャルメディアの活用と、それに伴う知覚の変化に着想を得た作品だ。参加者たちは、鳥を模した“ヘルメット”を身に着けて、空間の中を歩き回る。ヘルメットの中のモニターには、外部のカメラを通じて俯瞰された自らの姿が映し出される。目の前にデジタルな分身が現れ、まるでゲームのように感じられる現実世界に、超・現実主義的な感覚が芽生えていく。ヘルメットを着用した参加者たちは、俯瞰的に捉えられたモニターの映像から、空間を把握しようとする。客観的な視点と、主観的な感覚のズレを感じながらも、他者や周囲の環境を知覚していく。本作は現実に対する新しい視点を投げ掛け、社会との新鮮な関係を築くものだといえる。

©Monobanda PLAY / DUS architects

プロフィール

Hedwig HEINSMAN

オランダ

1980年生まれ。DUS architects共同設立者。Delft Technical Universityを優秀な成績で卒業しHelsinki Universityof technologyでも学んだ。DUS architectsは数々の受賞歴を持つ建築設計事務所で、アートインスタレーション、プロダクトやイベントのデザイン、建築、プランニング、長期的な都市計画も手掛ける。

( 2014 )

Niki SMIT

オランダ

1981年生まれ。アーティスト集団Monobanda PLAYの共同設立者。Monobanda PLAYは遊びとインタラクションの境界を探り拡張していくことを目指す。コミッションワーク、自主制作両方に取り組み、新しい「遊び」のかたちと有用性のあるインタラクションの開発を追求する。

( 2014 )

Simon van der LINDEN

オランダ

1982年生まれ。アーティスト集団 Monobanda PLAYの共同設立者。

( 2014 )

贈賞理由

体験者が手製の被りものを身に着けて、俯瞰的な視点から捉えた周囲の状況を頼りに、フィールドを徘徊する作品。そのくちばしに似た形は、触覚の鋭利化と動物の攻撃性、そして逃避距離を想起させる。主観的な視覚は遮断され、客観的な視点に置き換わるとともに、今ここにいる自分の体感との間にもどかしいギャップが生じる。本作は、ヘッドマウント・ディスプレイを使用した多くのバーチャル・リアリティ作品とは一線を画している。ここでの興味は、そこにある空間を、その中にいる生身の自分や他者が、情報を経由して捉えたときどのように感じるか? 主観と客観、視点のシフト、理解と体感の遊離、といった事柄についてだ。作者のこれまでの作品を見ても、空間の認識と体感、そのズレと一致などへの興味を一貫して抱いているようだ。ここに、はっきりとした仮説の提示はない。けれども、空間と知覚・認知への何らかの気付きの体験をもたらすだろう。(東泉 一郎)

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