今年度のフェスティバルへ

開催内容

受賞作品展

会期:

2016年2月3日(水)~2月14日(日)

会場:

国立新美術館 、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、スーパー・デラックス、セルバンテス文化センター東京

協力:

TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、スーパー・デラックス、J-WAVE、アンスティチュ・フランセ日本、Peatix、FileMaker

入場無料


贈呈式

日程:

2016年2月2日(火)

会場:

国立新美術館


募集期間:

2015年7月7日(火)~ 9月9日(水)


主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会

関連書類

文化庁メディア芸術祭実行委員会

会長:

青柳 正規 (文化庁長官)

運営委員:

青木 保 (国立新美術館長)
建畠 晢 (多摩美術大学長)
古川 タク (アニメーション作家)

審査委員:

アート部門

主査:植松 由佳 (国立国際美術館主任研究員)
石田 尚志 (画家/映像作家/多摩美術大学准教授)
佐藤 守弘 (視覚文化研究者/京都精華大学教授)
中ザワ ヒデキ (美術家)
藤本 由紀夫 (アーティスト)

エンターテインメント部門

主査:飯田 和敏 (ゲーム作家/立命館大学映像学部教授)
宇川 直宏 (現在美術家/京都造形芸術大学教授/DOMMUNE主宰)
工藤 健志 (青森県立美術館学芸員)
東泉 一郎 (デザイナー/クリエイティブディレクター)
米光 一成 (ゲームデザイナー)

アニメーション部門

主査:小出 正志 (アニメーション研究者/東京造形大学教授)
大井 文雄 (アニメーション作家)
髙橋 良輔 (アニメーション監督)
森本 晃司 (アニメーション監督)
山村 浩二 (アニメーション作家/東京藝術大学大学院教授)

マンガ部門

主査:すがや みつる (マンガ家/京都精華大学教授)
門倉 紫麻 (マンガライター)
犬木 加奈子 (マンガ家/大阪芸術大学客員教授)
古永 真一 (文学者/首都大学東京准教授)
松田 洋子 (マンガ家)

功労賞

総評

建畠 晢

多摩美術大学長

つねに最先端の技術による作品の可能性の探求を紹介するというのがこのフェスティバルの目的のひとつであるからには、表現の成熟を云々するのは語義矛盾ということになるのかもしれない。しかし事実として最近は技術的な新奇性を追い求めるよりも、メディアに対する一種自己批評的な眼差しが作品の多くに見て取れるようになったとは言いうるだろう。やはりそこには四半世紀に近い時間の蓄積が宿っているのである。今回のアート部門の大賞にも、そのことは如実に示されている。CHUNG Waiching Bryanの作品では、結果として生まれたビジュアルなイメージではなく、それを制作するためのいくつかのプログラミング言語やソフトウェア、それも作者がかつて学んだが、もはや使われなくなってしまっているものを振り返り、あたかも“ 詩的テキスト”のように記述した“コンセプチュアルな自伝”が提示されている。メディアに対する批評意識が、そのまま表現に結びついた注目すべき試みであろう。オッペケペー節をパロディー化したエンターテインメント部門の大賞の岸野雄一の「市井にこそもっともメディアとしての可能性を感じる」という発言も、言われてみればたしかに自明の理であるに違いないが、そのことを等閑視していた観客のまなざしを揺さぶるバイタリティに魅せられた。メディア芸術の固定概念からは大いに逸脱しているこうした作品が登場したことを評価したい。

古川 タク

アニメーション作家

21世紀も15年めともなると、星新一さんや手塚治虫さんが盛んに作品の題材として取り上げられてきた人間と機械との違いが真面目に論じられる時代になった。人工知能はちょっとしたブームかもしれないし、機械に何ができて何ができないかという論争もますます激しくなるだろう。そんな時代のメディア芸術祭である。アート部門の大賞は過去に付き合った数種類のコンピュータ言語たちを、作者の言葉によると、まるで旧い友人に再会したり、消滅してしまった旧い場所を尋ねて行くような気分で紡いでいく行為からできあがった作品である。エンターテインメント部門の大賞はオッペケペー節の川上音二郎一座が1900年パリ万博にて「電気神」が観客にかけた魔法を解くために旅に出る冒険物語をアナログ+デジタル音楽劇に仕立てあげ、エンターテインメントの未来の可能性を探る。アニメーション部門は文字通りのリゾームの思想を膨大な手描きのアナログとデジタル作業によるアニメイト(生命を紡ぐ)で進化、変容する宇宙をつくりだす。マンガ部門は「描くしか」ないというマンガ家の内なる小宇宙を、物語として見事に吐露してみせる。これが2015年のメディア芸術祭4部門の大賞作品である。功労賞の4名の方々の共通点は、現在もご活躍中のそれぞれの部門での重要なキーパーソンであるということで、偶然にも私が個人的にも少し存じ上げている方々ばかりで、心からお祝いと感謝を申し上げますとともに、引き続き各分野での牽引役をよろしくお願いしたいと思います。