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エンターテインメント部門

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  • Photo: courtesy of Drew Gurian / Red Bull Content Pool

優秀賞

Drawing Operations Unit: Generation 1

Sougwen CHUNG

インタラクティブインスタレーション [カナダ]

作者と、作者が開発したロボットアームが協働して同時にドローイングを行なう作品である。ロボットアームは、天井に設置されたカメラとコンピュータの映像から得られる情報をもとに、人の動きを模倣するように設定されている。その結果、人とロボットが同時に相互の動きを解釈しあうかのようなパフォーマンスが生みだされる。この作品で作者は、ロボットが人間の振る舞いに同期する訓練をすることで、ロボットの自動化、自律性、人間とロボットの共同制作についてのアイディアを探求している。それと同時に、作者とロボットアームは、このシンプルなドローイング・パフォーマンスを通じて、人間の動きを模倣し、手順どおりに動くロボットによる、偶発性を伴う作画(マーク・メイキング)の可能性を追求している。

©Created on the occasion of the exhibition: NEW INC Showcase at Red Bull Studios New York July 2015.

プロフィール

Sougwen CHUNG

カナダ

カナダ生まれ、中国育ち、ニューヨーク在住。アーティスト、MITメディアラボ客員研究員。

( 2016 )

贈賞理由

本作は、アーティスト本人とロボットアームとのコラボレーションによって成立している。このロボットアームは、天井のマウントからスキャニングされた作者の描画スタイルを対称的に模倣するようにプログラムされており、人間的なアプローチを身に付けるために、自身の自律的なスタイルを学ぶ。クレメント・グリーンバーグのメディウム論の文脈として読み解かれた、コンティンジェンシーなる偶発性を美意識として受け入れる、最前衛の抽象絵画運動の最果てにこの作品は位置するのではないか?いや、むしろこの、身体とロボットアームとの共演は音楽的だ。2人のボーカリストデュオによる即興的な輪唱パフォーマンスのように模写する相方は、グリッチもエラーもバグも何もかもを受け入れられるAIなのだ。この予定調和なきドローイングセッションは、あらゆる審美的束縛からの自由を謳歌し、同時に、美の本質、美の現象に問題を投げかけているのだ。(宇川 直宏)

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