今年度のフェスティバルへ

アート部門

部門トップに戻る

  • © Rosa Menkman

新人賞

DCT: SYPHONING. The 1000000th interval.

Rosa MENKMAN

映像インスタレーション [オランダ]

画像圧縮アルゴリズムを物語として描いた作品。「DCT」はDiscrete Cosine Transform(離散コサイン変換)の略で、JPEGなどの形式で使われる画像変換技術のこと。「SYPHONING」はアプリケーション間で動画を共有できるようにするソフトSyphonに由来し、この作品ではある圧縮形式の画像を別形式に変換するという意味。物語の主人公は擬人化されたDCTのシニアとジュニアで、1,000,000回の試験的なプログラム実行を経験して訓練を積んだジュニアの初めての実践的な「サイフォン」、つまりは画像変換にシニアが付き添う。慣れ親しんだ画像の世界から他形式の画像の世界へ踏み出し、古い形式には無関心だったり新しい形式は読み取れずに困惑したりするジュニアの様子が、シニアによってどこかユーモラスに語られる。
7分

© Rosa Menkman

プロフィール

Rosa MENKMAN

オランダ

1983年、アーネム生まれ。アーティスト、研究者。アナログとデジタル・メディアにおけるアクシデント(グリッチ、エンコーディング、フィードバック・アーティファクトなど)が引き起こすノイズ・アーティファクトに着目している。

( 2017 )

贈賞理由

瞬時に鑑賞者の目を奪う強烈な独自性に可笑しみが随伴した、「画像についての画像」の映像インスタレーションである。本作のテーマは画像圧縮技術が惹起(じゃっき)する視覚的乱れだが、それがおもしろいのはその技術に固有の特徴と本質がそこに立ち現われるからだ。作者はトランスコードすなわちデコードを介さない再エンコードを「サイフォン」と形容し、新旧の離散コサイン変換技術を「DCTジュニア/シニア」と擬人化した。また、エドウィン・A・アボットの小説『フラットランド─多次元の冒険』(1884)をもとに正方形もしくは立方体を主人公に据え、仮想空間に異なる圧縮法による平面領域を配置する。どれもが心憎い。(中ザワ ヒデキ)

部門トップに戻る