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エンターテインメント部門

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  • © 2016 Unlimited Corridor PROJECT Team

優秀賞

Unlimited Corridor

『Unlimited Corridor』制作チーム(代表:松本 啓吾)

“Unlimited Corridor” Project Team (MATSUMOTO Keigo, Representative)

VRシステム [日本]

鑑賞者の空間知覚を操作し、現実には限られた空間の中で、VR(バーチャル・リアリティ)空間を無限に歩き回れるようにした作品。本作では、「リダイレクテッド・ウォーキング」と「視触覚間相互作用」という2つの技術を組み合わせて使用している。リダイレクテッド・ウォーキングは、ヘッドマウントディスプレイに表示する映像に補正を加え、実際には曲がった通路を歩いているにもかかわらず、まっすぐ歩いていると感じさせる技術である。それに合わせて、曲面を平面として知覚させる視触覚間相互作用を利用し、直進していると感じられる通路の円周の大きさを、半径3mまで縮小し、比較的狭い実空間でも無限の空間知覚を得られるようにした。視覚と触覚を使い脳に錯覚を起こさせて、知覚がいかにゆらぎを持つものであるかを実感させる。VRシステムの機能に応じたオリジナルのコンテンツなどが提供されている。

© 2016 Unlimited Corridor PROJECT Team

プロフィール

松本 啓吾

MATSUMOTO Keigo

日本

1992年、熊本県生まれ。東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻修士課程在籍。インタラクティブVRを研究。

( 2017 )

贈賞理由

歩行する体験者の空間感覚を操作する、知覚のトリック。今いるリアルな空間とVR空間とをもともと別物としたうえで、それらとのあいだの座標変換そのものを歪め、体験者の認識上で整合化してしまうという荒技だ。VR空間の無境界性と、それを被験する場の物理的有限性……。そのギャップは、多くのVRデザインにおける悩みであった。この研究はその問題に対しユニークな切り口で取り組み、空間認識の不整合を積極的に生かした新しい体験をもたらしている。「虚実空間の一致」の方向性でリアリティを追求してきたほかのものとは一線を画しており、現状は特定の状況設定でのみ成立するものにとどまっているものの、そのアプローチはポテンシャルを感じさせるものだ。五感の複合によってもたらされる私たちの空間認識や世界像の構築といったものが、いかに相対的であやふやなものか?この体験は、そんなことにも気づかせてくれる、興味深いきっかけになるだろう。(東泉 一郎)

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