開催内容
受賞作品展
会期:
2018年6月13日(水)~6月24日(日)
会場:
国立新美術館、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター、スーパー・デラックス、表参道ヒルズ、ルミネ新宿 他
協力:
学校法人・専門学校 HAL東京、株式会社サンゲツ、株式会社 ルミネ、株式会社GOOD、株式会社TASKO、公益財団法人日本デザイン振興会、シャープ株式会社、スーパー・デラックス、政策研究大学院大学、多摩美術大学彫刻学科、森ビル株式会社、山口情報芸術センター [YCAM] 、ユカイ工学株式会社、J-WAVE、MUTEK.JP、Peatix、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、TSUTAYA TOKYO ROPPONGI
入場無料
贈呈式
日程:
2018年6月12日(火)
会場:
国立新美術館
募集期間:
2017年8月1日(火)~10月5日(木)
主催:第21回文化庁メディア芸術祭実行委員会
文化庁メディア芸術祭実行委員会
会長:
宮田 亮平(文化庁長官)
運営委員:
青木 保(国立新美術館長)
建畠 晢(多摩美術大学長)
古川 タク(アニメーション作家)
審査委員:
アート部門
主査:中ザワ ヒデキ(美術家)
阿部 一直(キュレーター/アートプロデューサー)
石田 尚志(画家/映像作家/多摩美術大学准教授)
藤本 由紀夫(アーティスト)
森山 朋絵(メディアアートキュレーター/東京都現代美術館学芸員)
エンターテインメント部門
主査:工藤 健志(青森県立美術館学芸員)
遠藤 雅伸(ゲームクリエイター/東京工芸大学教授)
齋藤 精一(株式会社ライゾマティクス代表取締役/クリエイティブディレクター)
佐藤 直樹(アートディレクター/多摩美術大学教授)
中川 大地(評論家/編集者)
アニメーション部門
主査:横田 正夫(医学博士/博士[心理学]/日本大学教授)
宇田 鋼之介(アニメーション監督・演出)
木船 徳光(アニメーション作家/IKIF+代表/東京造形大学教授)
西久保 瑞穂(映像ディレクター)
森野 和馬(映像作家/CGアーティスト)
マンガ部門
主査:みなもと 太郎(漫画家/マンガ研究家)
門倉 紫麻(マンガライター)
白井 弓子(マンガ家)
古永 真一(文学者/首都大学東京准教授)
松田 洋子(マンガ家)
選考委員:
アート部門
金澤 韻(インディペンデント・キュレーター/十和田市現代美術館学芸統括)
田所 淳(クリエイティブ・コーダ―)
服部 浩之(キュレーター)
福原 志保(アーティスト/研究者/Google ATAPテキスタイル開発兼クリエイティブリード)
藤川 悠(茅ヶ崎市美術館学芸員)
水野 勝仁(甲南女子大学文学部メディア表現学科講師)
マンガ部門
おぎの ひとし(マンガ家/東京工芸大学助教)
倉持 佳代子(京都精華大学国際マンガ研究センター研究員)
新美 ぬゑ(マンガ研究者)
西原 麻里(愛知学泉大学講師)
松田 尚正(マンガ家/京都造形芸術大学講師)
三浦 知志(マンガ研究者)
功労賞
総評
建畠 晢
多摩美術大学長
文化庁メディア芸術祭はアート部門、エンターテインメント部門にアニメーション部門、マンガ部門を加えた4部門という日本ならではのユニークな性格を有するが、またその時々のメディアを取り巻く状況を直接的に反映した作品が多く見られるという点もほかのコンテストにはない著しい特色である。映像や通信の最先端の技術が即座に導入されるということばかりではなく、毎回、環境問題や貧富の格差、あるいは地域紛争や災害などの社会的な問題をも多くの応募作が取り上げてきたのである。メディア芸術における技術的な探求は、同時に私たちの現実に対する何らかの批評性をも招来せずにはおかないということであろう。さて21回目を迎えた今回も世界98の国と地域から4,192点の応募があり、メディア芸術の国際コンテストとしての存在感を一層確かなものにしつつあるといえよう。アート部門の大賞はフランス在住のチュニジアのアーティスト、Haythem ZAKARIAの『Interstices/OpusI–OpusII』に与えられた。モノクロームの風景の静謐な画面には、高度の映像技術が駆使されているが、ビジュアルな効果の斬新さだけを競い合う世界とは対極的に、観客の側の自然に対する深い思索を誘うような、美しくもまたどこか神秘的な時間と空間の感覚が醸し出されている、瞠目すべき作品であった。他の部門でも素晴らしい作品が選ばれ、きわめて充実したフェスティバルになったと主催者側の一員として自負している。年々、新たな展開を見せるメディア芸術の盛り上がりを祝す次第である。
古川タク
アニメーション作家
子どもたちの絵を見せてもらう機会があった。子どもが描く絵にはもともと興味がある。驚いたことに小学生は軒並み発想も自由奔放なブっとんだおもしろい絵を描いているのに、中学生・高校生が描いたポスターは60年前の僕らが子どもの頃の教科書にお手本として載っていたものとなんら変わりない、文字の配列などデザイン的にも紋切り型のつまらない物ばかりだ。今や街にはマンガ、アニメーション、ゲーム、パフォーマンス、展覧会など、それこそメディア芸術が百花繚乱なのにだ。このヘンな落差はなんだ? あるいは今も昔も魅力的な物はすべて学校の外にあるということか。特にマンガやアニメーションなどサブカルチャーと呼ばれてきたものはもともと学校で教わるものではなかったし、その道を志した者がそれぞれ無手勝流で個人的なアプローチをしながら目標に近付いていった。それがトキワ荘や東映アニメーションであった。何か学校とは違うメディア芸術の梁山泊、拠点づくりも必要か。本来であればつくるのではなく、自然発生するものなのかもしれないが。一方、ちまたでは子どものためのプログラミング教室やスマートフォンなどデジタル端末のアプリを使いこなしたワークショップはなかなか賑わっていて、高校生が傑作短編アニメーションを生み出したりもしている。再び最初のヘンな落差に戻るけれど、いまの子どもたちについて知るためにも一度「メディア芸術祭アンダー15や17」などを同時開催してみるのもおもしろいかな。