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アニメーション部門

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優秀賞

ハルモニア feat. Makoto

大谷 たらふ

OTANI Tarafu

短編アニメーション [日本]

ダンスミュージックやゲーム音楽の影響を受けながら、音楽活動を続けてきたyuichi NAGAOがリリースした楽曲のミュージックビデオ作品。映像を制作した大谷たらふは、波の音から始まる曲を聴いた時に感じた幻想と現実の間で揺らぐような気分から、少女と布団のダンスというユニークなモチーフを発想したという。本来CGを用いて行うエフェクトも、あえて1カットずつ手で描かれたアニメーションには、色鉛筆や水彩絵具のような温もりのあるアナログのタッチが活かされている。「幻想の世界での休息」というコンセプトによって作られた映像には音の波形を思わせる曲線が次々と現れ、気泡のように生まれては消えるカラフルなイメージと、躍動感あふれる少女の滑らかな動きによって、見る者を最後まで釘づけにする。大谷たらふはテレビ、プロモーションビデオ、CMや展示用映像の制作者として着実にキャリアを重ねてきた。その確かな技術が随所に感じられる作品となっている。

プロフィール

大谷 たらふ

OTANI Tarafu

日本

1977年、東京都生まれ。アニメーション・ビデオアーティスト。

( 2018 )

贈賞理由

傑作である。抽象的なメタモルフォーゼの中に具象的な物がときどき現れる展開が、気持ちのよいアニメーションになっている。エフェクトも含めすべて手描きで表現されたアニメーションが素晴らしく、波の音と抽象画像にも見える構図の波から始まり、それが自由に変形するエフェクトアニメーションに変わっていく展開も気持ちよく、不意に現れ繰り返し出現する人物と布団のイメージが夢から覚めそうで覚めない微睡みの時間を表している。それが徐々に理解できるような構成で、次々に変化していく布団の動きによってそれ自体がキャラクターとして表されていくのも楽しい。音楽をBGMとした映像や、歌を図解しているアニメーションなどは、それはそれで成立するもので、否定するものでは無いのだが、この作品のように音楽と歌詞とアニメーションがそれぞれ自立して、その組み合わせがより豊かな表現になっていることは珍しく、理想的なミュージックビデオだと感じた。(木船 徳光)

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