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マンガ部門

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新人賞

バクちゃん

増村 十七

MASUMURA Jushichi

単行本・雑誌 [日本]

バクの星から地球に移民としてやってきたバクの子供・バクちゃんは、名古屋から東京に下宿しにきた人間の女の子・花とともに暮らすこととなる。バクちゃんは初めての地球で、満員電車、書類を介した手続き、食文化などの違いに触れ、移民に差別的な言動をする人や厳しくあたる人にも出会う。しかし、花をはじめ移民に友好的な地球人や移民の友人たちに支えられ、明るくたくましく生きていく。カラフルでファンタジックな絵柄で描かれる本作には、作者のカナダでの移民経験が反映されており、心温まりつつも、無意識の暴力や同調圧力、土地に馴染むことの難しさなど、現実世界でも起こり得る移民の状況や心情が描かれ、社会への問いかけを含む冒険譚となっている。

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プロフィール

増村 十七

MASUMURA Jushichi

日本

マンガ家、イラストレーター。2012年に『のんちゃん!の破壊☆日記』でデビュー。同年、『ワニを飼う』で講談社第32回MANGA OPEN奨励賞受賞。 2015年から2017年まで、カナダのマニトバ州ウィニペグに滞在。現在日本在住。

( 2018 )

贈賞理由

パステルカラーが印象的なメルヘンティックなマンガだと思って読んでいると、これが移民をテーマにしたマンガだとわかりはっとする。さまざまな理由で宇宙のあちこちから日本に集まった者たち、よるべない気持ち。厳しい現実と希望の間を、夢を食べるバクの子どもがつなぐ 。夢がなければ子どもは生きられないのだ。たとえそこが生まれた「くに」でないとしても。大人としてはラストの、ほんの少し故郷の星に近づく望郷のシーンが忘れられない。(白井 弓子)

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