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マンガ部門

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  • © itagaki paru(akitashoten)2017

新人賞

BEASTARS

板垣 巴留

ITAGAKI Paru

単行本・雑誌 [日本]

肉食動物と草食動物がともに暮らす全寮制のチェリートン学園。ある日、アルパカのテムが講義室で食殺される事件が起こる。疑いの目を向けられたのは肉食動物、中でもテムと仲の良かったオオカミのレゴシだった。肉食動物の草食動物を捕食したいという本能、草食動物の肉食動物への恐れと軽蔑、それを超えようとする理性がせめぎ合う。実在の動物の身体の特徴を保ちつつ、滑らかなタッチで時にコミカルに描かれる動物たちの青春群像劇であり、人間の社会にも横たわる共存の問題まで喚起させながら、深い読後感を与える作品。

© itagaki paru(akitashoten)2017

プロフィール

板垣 巴留

ITAGAKI Paru

日本

1993年、東京都生まれ。2016年、マンガ家デビュー。現在、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で『BEASTARS』連載中。

( 2018 )

贈賞理由

動物を擬人化した作品は多いが、本作は寓話やファンタジ ーにとどまらない生々しさが読者を惹き付ける。新人離れした画力に加え、学園ドラマやミステリーの魅力もあるが、なんといっても設定が秀逸で、人間や現実社会について一歩引いて考えさせる作品に仕上がっている。ヒトは肉も野菜も食べる動物だが、動物的な攻撃衝動や性的な欲求を抑圧することで、動物の本能とは異なる欲望を抱え持つようになった。本作は、こんな身も蓋もない要約でも、物語的想像力を駆使して押し広げれば、かくもおもしろくなるというお手本のような作品である。(古永 真一)

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