今年度のフェスティバルへ

幸村 真佐男

メディア・アーティスト/写真家

1943年、東京都生まれ。多摩美術大学在学中の1966年、東京大学大学院の槌屋治紀らと共に日本で初めてのコンピュータ・アート・グループ、CTG(Computer Technique Group)を結成。CTGとして「サイバネティック・セレンディピティ」(ロンドン、1968)、「コンピュータ・アート展:電子によるメディア変換」(東京画廊、東京、1968)、「国際サイテック・アート展─エレクトロマジカ’69」(銀座ソニービル、東京、1969)、「第6回パリ青年ビエンナーレ」(パリ、1969)、「Computer-Kunst ─ On the Eve of Tomorrow」(ドイツ、1969)など多数の企画展で発表し、国際的なコンピュータ・アートの第1世代を担った。1969年のCTG解体以降も「第46回ヴェネチア・ビエンナーレ『トランスカルチャー展』」(イタリア、1995)、「バベルの図書館」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、東京、1998)ほかに参加。教育者として筑波大学、京都造形芸術大学、東北芸術工科大学、中京大学で教鞭を執り、先端的な情報芸術論やCGを学んだ多数の教え子らの活躍も著しい。

贈賞理由

コンピュータ・テクニック・グループ(CTG)が世界に与えた衝撃やその後の国際的活躍については、もはや説明するまでもない。ここでは次の2点を強調したい。ひとつは氏が有する唯一無二の存在感。そのゆえに各地の大学を通じ、若い世代に大きな影響を与えてきた。もうひとつは、メディア環境がもたらす膨大さを前に多くの人が見たいものだけを見る事態に陥るなか、今もみずから膨大な作品を生産し、そこに介入し続けていることである。見られていないものも含むすべてのものの等価な美しさなど、氏の訴えはいま一度思い起こされるべきだろう。(秋庭 史典)

開催情報ページへ