今年度のフェスティバルへ

エンターテインメント部門

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審査講評

今だからこそ、多様性を享受できる文化と創造の磁場を

時田 貴司

ゲームクリエイター/株式会社スクウェア・エニックス プロデューサー

過去に何度か受賞式や受賞作品展にお伺いさせていただきましたが、今回より審査に携わるにあたって、改めて「文化?メディア?芸術とは?」と考えてみました。 私はマンガ、アニメーションとともに育ち、ゲーム制作を始めた世代です。幼少の頃にマンガブームで多くの雑誌が創刊し、次いでさまざまなアニメーションがテレビで放映、劇場でも上映されました。並行してデジタルのゲームもアーケードから、PC、家庭用ゲーム機、携帯機、オンライン、モバイルと、技術の進化とともに、コンテンツも多様化し、今に至ります。改めて振り返れば、小説、演劇、映像など......。すべてのジャンルはゲーム同様、連綿と続く文化を新たな世代が受け継ぎ、時代の技術とともに新しい娯楽、産業として発展させてきたのでしょう。特に歌舞伎と浮世絵はマンガ、アニメーション、JRPGの直系の先祖といえると思います。ネットの普及によって、現在では知識、技術、ツールなど クリエイティブのノウハウや発表の場も、リージョン、文化を超えて共有されている時代。今回の審査でも、世界各国から寄せられた個性あふれる多くの作品を拝見させていただきました。知識や技術が共有されると、重要になるのは、やはり個性です。多様性と個性。グローバルとローカル。カラフルとモノトーン。デジタルとアナログ。相反するこれらが融合し、新たな発想、技術、作品が誕生する。なかでもゲーム、ウェブ・アプリケーションというカテゴリーでは殆どその境界はなくなっています。これからの時代、すべての分野において、ボーダレスは加速しています。あらゆるカテゴリーを越えたところにこそ、新たなエンターテインメントが誕生する磁場があると思います。今回の審査でも、ジャンル、文化を越えた新世代のエンターテインメントの息吹を十二分に感じることができました。多様性を受け入れ進化できる文化。それが日本の魅力であることを改めて信じたいと思います。

プロフィール

時田 貴司

TOKITA Takashi

ゲームクリエイター/株式会社スクウェア・エニックス プロデューサー

1966年、神奈川県生まれ。演劇活動のアルバイトとしてファミコン時代よりドット絵でゲーム制作を始める。プランナー、ディレクターを経て、現在はプロデュース業務に従事。代表作は『FINAL FANTASY Ⅳ』、『LIVE A LIVE』、『クロノ・トリガー』、『半熟英雄』シリーズ、『パラサイト・イヴ』、『ナナシ ノ ゲエム』など。現在は株式会社スクウェア・エニックス第二開発事業本部ディビジョン6 プロデューサー、株式会社Tokyo RPG Factory取締役。一般社団法人コンピュータエンターテイメント協会人材育成部会では後進の育成にも参画している。

( 2020 )

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