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エンターテインメント部門

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優秀賞

amazarashi 武道館公演『朗読演奏実験空間“新言語秩序”』

『朗読演奏実験空間“新言語秩序”』プロジェクトチーム(代表:amazarashi 秋田 ひろむ)

The Dystopia Experience Direction Team (AKITA Hiromu / amazarashi, Representative)

空間表現 [日本]

メッセージ性の強い詩的な歌詞で、SNSの闇や現代のデジタルメディアへの批評を歌い続ける音楽アーティストamazarashiの公演プロジェクト。公演前に、言葉の検閲をテーマにした小説をはじめ、新曲、ミュージックビデオ、ゲリラショップといった表現物を、黒塗りやノイズが混じった検閲された状態でリリース。ファンは小説内にも書かれた「検閲解除APP」を実際にダウンロードすることで、内容を閲覧できる。公演当日は、参加者のスマートフォンのフラッシュとステージの四方を囲むスクリーンの映像を同期させることで、スクリーンに映し出される歌詞の黒塗りを取り払い、新曲が「検閲解除」される演出となっている。あらゆるメディアを使用したデジタル・ロックオペラは、ファンを物語に没入させ、小説の内容を実際に起きている問題として提起した。通常は一夜限りで終わってしまうライブを、1カ月におよぶ参加型の音楽体験に変えた本作は、ファン以外にも評判が広まった。

©︎ Sony Music Labels Inc. / Photo: Sony Music Labels Inc.

プロフィール

『朗読演奏実験空間“新言語秩序”』プロジェクトチーム(代表:amazarashi 秋田 ひろむ)

The Dystopia Experience Direction Team (AKITA Hiromu / amazarashi, Representative)

日本

( 2020 )

贈賞理由

おそらく5~6年前くらいまでの文化環境であれば、フィクショナルな様式性をもってつくり込まれたベタなディストピア・ロマン型の世界観に、特段の批評性を感じることはなかったはずだ。だが、ネットメディアの浸透が下からは皮肉な相互検閲状況をもたらし、機に乗じた大資本や政治権力による上からのあからさまな検閲ムーブを強化しつつあるという輪をかけてベタな現実の劣化ぶりが、本公演の同時代的な意義を逆説的に高めてしまった。そんな時局を逆手に取りつつ、昔ながらのプロテスト・ロックの役割や武道館という場のアウラを参加型テクノロジーを駆使して再生させたコンセプトメイクとプロジェクト運営の強さは驚嘆に値する。もっとも、「言葉狩りへの抵抗」による共同性の喚起は、反面、まさに排外主義的な世論やカルトを助長して現実を劣化させた側のロジックでもある。本公演のメッセージ性は、そうした両義性の析出も含めた問題提起として受け止められよう。(中川 大地)

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