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マンガ部門

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新人賞

夢中さ、きみに。

和山 やま

WAYAMA Yama

[日本]

人が人に惹かれる物語を、コメディを交えながら丁寧に描く8篇のオムニバス。冒頭4篇は奇妙なカリスマ性を持つ男子高校生、林を描く。体育祭で障害物リレーの網に絡まる、学校の全階段の段数を数える、看板の文字を撮影してSNSでしりとりをする、絵のキャンバスで干し芋を作るなど、奇特な行動をする林。その行動に周囲は驚きながらも男女問わず惹かれていく。「うしろの二階堂」の4篇では、クラス中から気味悪がられる二階堂明と、その前の席になった目高優一との関係を描く。小学校時代の二階堂が美少年として憧れの対象だったことを知った目高と、女子と距離を置くために暗い容姿を目指した二階堂のあいだに、友情を超えた豊かな関係が生まれる。

プロフィール

和山 やま

WAYAMA Yama

日本

( 2020 )

贈賞理由

誰かに、好意以上の感情を抱く。あの感情を描いた、今までに見たことがないマンガであると思う。いわゆるBLマンガにカテゴライズできる作品であるが、日本で発展してきたそのジャンルの精華と呼びたい。同性に寄せる愛の描き方、そのひとつの結論がこの作品において具現化している。何より感動的なのはその結論が、性別問わず、恋をしたことのある人間すべての心を優しくふるわせることである。登場人物を優しく見守っていたい、そんな気持ちにさせられる。何も起こらないマンガであるが、「何も起こってくれるな」とむしろ思うほどに。(西 炯子)

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