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アート部門

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ソーシャル・インパクト賞

Google Maps Hacks

Simon WECKERT

メディアパフォーマンス [ドイツ]

99個の中古スマートフォンを手押し車に載せて運ぶことで、Googleマップ上に架空の交通渋滞をつくり出す。このアクティビティにより、表示される道路の色を緑(混雑なし)から赤(混雑)に変えることができる。その結果、渋滞を避けるために車を別のルートに誘導することで、実世界にも影響を与える。2005年にGoogleマップとGoogle Earthの提供が始まって以来、技術面で飛躍的な進化を遂げたGoogleマップは、これらを活用する数々のサービスを通して実在の都市にバーチャルな変化を生み出している。本作は、Googleマップという私有プラットフォームでありながら、私たちの移動や振る舞いをかたちづくるGoogleマップの背後にある目に見えないアルゴリズムを操作し、それらに干渉するためのシンプルなDIY的手法を実現したものである。なお、Googleはこのプロジェクトを認識しており、本作のようなGoogleマップのクリエイティブな活用を歓迎している旨、コメントしている。

©︎ Simon Weckert

プロフィール

Simon WECKERT

ドイツ

1989年、カール=マルクス=シュタット生まれ。アーティスト。ベルリン芸術大学卒業。

( 2018 )

贈賞理由

本作は、リアルタイムデータ収集の限界と落とし穴を暴く物理的な介入である。99台の中古スマートフォンを、追跡機能を有効にして手押し車に乗せて移動させる。位置データはGoogleに送られ、アルゴリズムにより解析されるが、信号の数と緊密さを基に交通渋滞が起きていると認識される。作者がデモに参加した際に、参加者の電話が集中していたためGoogleマップ上で交通渋滞として表示されたことをきっかけに制作された。この洞察を極端に解釈することで、巨大テック企業を戦術的にハッキングし、データ収集という目に見えない行為を暴露する。そして、その過程を通し、個人が持つ変革の力を示す。この「過剰な肯定」による「破壊」は、Googleマップの背後にあるからくりを暴き、それに従わないための遊び心ある方法を生み出している。(ゲオアグ・トレメル)

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